息するように文字を吐く

自営業のささやかな思考回路

文化的な雪かきで失ったもの

村上春樹はライターの仕事を文化的な雪かきと表現した。まさか自分がそんな仕事をすることになるとはちっとも思っていなかったのだが、確かにこんな雪かきをしていると、やがてヒツジ男が目の前に現れそうな気分にもなる。しかし自分は天才村上春樹からほど遠い、やる気のないライターだ。文化的な雪かきをすればするほど、最近クリエイティビティ、創造性というものを失って言っているような気がする。一山雪を崩すたび、コンクリートにしみて溶けていく残雪みたいに、蒸発してしまっているのだ。その結果、ZINEを作ろうにも何も浮かばない。本当は、好きなことを好きなだけ、好きな風にかけるのが理想のはずなのに、何も浮かばない。乾燥した冬の空気のなかに、すべて吸い込まれてしまったかのようだ。

 

 

 

本当に困った。文学フリマ、申し込んでしまったのに……。